熱心な指導の裏で…保護者会代表として直面した「価値観のズレ」とその結末

子どもの部活動を応援する保護者の姿 子育て
この記事の概要

中学校の部活動を支える保護者会。その代表を務める中で、先生への感謝の気持ちを形にしようとしたとき、思いがけず「倫理違反では?」という声が――。法律や規則、そして人の価値観の違いに向き合った実体験を通して、保護者間のコミュニケーションの難しさと大切さを感じた出来事を綴ります。

子どもたちの成長が、何よりの喜びだった

わが家の子どもが所属している中学校の運動部は、顧問の先生の熱心なご指導のもと、基礎からじっくりと鍛えていただき、練習の成果もあり大会では好成績を収めることができました。

週末の練習試合は県外まで遠征することもあり、車出しや備品購入、部費集金など保護者の負担もそれなりに多い部活動です。でも、それでもかまわない。
なぜなら、子どもが本当に楽しそうだったから。
「部活の時間が一番楽しい!」
そんな言葉を聞くと、親としてはすべて報われる気がしていました。

おっと
おっと

厳しい練習を積み重ねながらチームメンバーがお互いに支えあって成長していく姿は、ドラマ以上の劇的な感動がありました…

代表としての役目と、小さな違和感

子どもたちが目に見えて成長し、部活動に本気で打ち込む姿を間近で見てきた私にとって、休みを返上して熱心に指導してくださる先生方への感謝は、言葉では言い表せないほど大きなものでした。
だからこそ、少しでも力になれたらという思いから、自ら志願して保護者会の代表を引き受けました。
そして、念願の県大会出場が決まったタイミングで、その感謝の気持ちを形にしたいと考え、先生方をお招きしての食事会を企画しました。
前年も行われた慣例行事であり、過去の事例も参考にしながら準備を進めていました。

しかし、提案をした際、一部の保護者からこんな声が上がりました。

「先生の参加費を保護者が負担するのは、公務員倫理に反しないのか?」
「そもそも、遠征時に先生にお弁当を渡しているのも問題では?」

その意見の背景には「先生に迷惑をかけたくない」という善意も感じ取れましたが、代表としては、放っておけない疑問でもありました。

にゃくわ
にゃくわ

自分に取っては思いもかけない質問だったから、最初は真意がつかめなかったにゃ!

本当に“違反”なのか? 自分で調べてみた

保護者の不安を払拭するため、公務員倫理について文献や指針を調べ、地元の教育委員会にも問い合わせをしました。

✅ 見えてきた結論

  • 保護者や生徒は、公務員倫理法上の「利害関係者」には該当しない(大阪府の指針より)
  • 職務として出席した会議で弁当の提供を受けることや立食パーティーにおける飲食などは禁止対象から除外されている(国家公務員倫理審査会、倫理法・倫理規程Q&Aより)
  • 地元の教育委員会からは「費用全額負担も問題なし」との見解。
    ただし、参加費を一部徴収することでトラブルを防げる場合もあるとの助言

つまり、法律的にもルール的にも問題はなし。
ただ、それをどう“捉えるか”は人それぞれということです。

残ったのは、「わだかまり」だった

上記の内容を保護者に伝え、食事会は開催するという方向性で問題は解決したはずでした。
でも、実際には保護者グループ内で「先生への費用負担」についての温度差が浮き彫りになり、なんとなく“しこり”のような空気が残ってしまったのです。

私がいちばん気になったのは、反対意見を持つ方々が「真実を自分で確かめようとしなかった」ことでした。

「前の職場でダメだったから」
「知り合いの教員がNGって言ってたから」

そんな“伝聞”がベースになっていて、「じゃあ実際どうなの?」という検証や確認は、全て私の役目に…。食事会は開催する方向になりましたが、「(反対意見が出ているのに)そこまでしなくても…」というネガティブなムードが漂ってしまったのです。

にゃくわ
にゃくわ

あの時は一人で見えない敵と戦っているような気持でした…

代表として、そして親として感じたこと

正直、ちょっと面倒くさいな…と思ったのが本音です。
けれど、自分の友人なら距離を取って終わりにできることも、子どもたちの大切なコミュニティに関わることとなると、簡単に関わりを断ち切ることはできません。

ましてや、土日祝日まで返上して尽力してくださっている先生方のご厚意に対して、水を差すようなことは避けたかったのです。

最後には“お流れ”に…でも残ったものは

結局、その後、子どもたちの間で感染症が流行し、食事会自体は中止となってしまいました。

でも、私はこの出来事をきっかけに、多くのことを学びました。

  • どんなに正しいと思っても、考え方の違いは存在する
  • 法的には問題なくても、“気持ちの問題”として引っかかる人もいる
  • 費用がかかるイベントについては、各々の家庭環境に応じた配慮が必要
  • 情報をうのみにせず、自分で調べ、確認し、納得することが大切
  • 自分の思い込みで行動せず、きちんと対話をすることが必要

そして何より、子どもたちの頑張りを一番に応援するためには、私たち保護者も冷静で、協力的でありたいという思いを改めて強くしました。


💬 正しかったかどうかはわからない…でも

部活動は子どもたちの成長の場ですが、それを支える保護者にも、さまざまな悩みや葛藤があります。
私自身の思いも、声を上げてくれた保護者も、どちらにも正義があり、正解はなかったのだと思います。だから、結果としてお流れになったのは、落ち着くべき落としどころだったのでしょう。

今、現在進行形でこんな悩みと向き合っている方がいるかもしれません。あなたならどうしますか?
この記事が、少しでも参考になれば幸いです。

保護者会については、こちらの記事にまとめておりますので是非ご覧ください。
中学の部活動、保護者会の実態とは?驚きと気づきの体験記

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