猫白血病(FeLV)との闘病生活①

病院へ ねこ

我が家の猫は、元・野良猫です。
今ではかわいい我が家の家族ではありますが、我が家に来た当初は
色々な事がありました。

とりわけ大変だったのは、避妊手術の時に同時に行ってもらった血液検査で、
猫白血病に感染していたこと。

猫白血病は、猫白血病ウイルス(Feline Leukemia Virus:FeLV)の感染に
よって引き起こされる病気です。感染経路は母子感染の他にも、
唾液に含まれるウイルスを介して、食事やケンカ、猫同士のグルーミング
などでも感染するようです。

この猫白血病、1歳前に感染すると、初期症状で死亡するか、
もし運良く初期症状から逃れられたとしても、半数の確立で体内でウイルスが
排除できず、骨髄内で潜伏し、持続感染(ずっと身体の中にウイルスがいる状態)
なります。
持続感染の場合は、2~3年経って再発するケースが多く、
これによって約80%の猫が死亡してしまうという恐ろしい病気です。

ウイルス検査結果
避妊手術をした病院で行った血液検査の結果です。さらに貧血(Ht:20%前後)の診断もありました

この後の闘病記と3年半経った今の状態を、数回に分けてまとめたいと思います。

我が家に来てから~1ヶ月(2018年5月~)

避妊手術をしてから数週間は、ケージで過ごしました

避妊手術を受けてから数週間は、既に猫を飼っていた姉からもらった
2段ケージの中で過ごしていました。
手術後数日は下痢が続いていましたが、その後落ち着き、食欲も旺盛。

熱でぐったり

安心したのもつかの間、その数週間後には食欲が半分以下に落ち、
ケージの中でぐったりと具合悪そうに横になってしまいました。
そこで近所の動物病院に連れていくと、病院で計測してもらった血液検査のデータが
驚くべき数値になっていました。

猫の血液検査項目:参考正常値(当時病院からもらった資料)との比較
赤字がうちの猫の数値
●WBC(白血球):55~195×102/μL   →  39×102/μL
●RBC(赤血球):500~1,000 ×104/μL  →  344 ×104/μL
●HGB(ヘモグロビン):8~15g/dL    →  5.4g/dL
●HCT(ヘマトクリット):24~45%   →  18.9%
●PLT(血小板):30~80 ×104/μL    →  6.7 ×104/μL

正常値との乖離が半端ないです。
とりわけ、貧血の指標であるHCT(血液に含まれる赤血球の割合)と、
血液凝固の要でもあるPLTの値が著しく低く、この検査結果を見た先生が
「長く生きられないかもしれません」とおっしゃるほどでした。

余命申告をされたような血液検査の値ではありましたが、獣医師の先生は
できる限りのことをやってみましょう、とのことで、
解熱鎮痛剤、抗生物質とインターフェロンと皮下内点滴で
解熱と免疫力を上げる治療をしてもらうことになりました。

治療最中、うちの猫 ゴロゴロ 喉を鳴らしていたそうです。
先生が、「痛いこと色々しているのに、やさしい猫だね」と褒めてくれて
なんだか泣きそうになってしまいました。

この子今までどんな生活してたんだろう・・・
と想像するだけで、涙が出ちゃってました。

1か月~3ヶ月頃 (2018年6月~)

症状に合わせて週1回~3回程度病院に通い、解熱鎮痛剤やインターフェロン、
ステロイドなどをの投与量を調整しながら、食欲が落ちないように、
脱水が起きないように、保存的な治療を続けていました。

特に問題だったのは、前回の血液検査で分かった重度の貧血と、口内炎でした。
重度の貧血は、FeLVによるものとのこと。インターフェロンで免疫力を上げ、
最終手段は輸血しかないとのことでした。
多頭飼いしているお家は他の猫から、そうでない場合は病院などで
輸血用に用意している猫などからもらう必要があるんだそうですが、
我が家は輸血用の血液の入手手段がなかったので、鉄剤サプリなどを食事に混ぜて
食べさせていました。

口内炎も、FeLVによるもの。この口内炎がやっかいで、口の中が痛くて
ご飯を食べてくれず、食べないので体力が落ち、免疫力が落ちるという悪循環。
鉄材と同時に、〇ゅ~るのなどの液体栄養補助食品を食事に混ぜて、
どうにかこうにかご飯を食べてもらっていました。

ご飯を食べたいのに、食べると飛び上がるくらい痛がって、
うらめしそうな顔で私たちを見る姿が、なんともかわいそうで
見ていられなかったです・・・。

両方の奥歯の歯茎が真っ赤に腫れあがっていて、「これは痛そうだな」と先生がぽつり。

3ヶ月~半年頃 (2018年8月~)

そんな私たちの心配をよそに、元野良猫とは思えないくらい人慣れしていて
愛らしい姿をたくさん見せてくれました。

我が家に来た頃は、9~10ヶ月くらいだったそう。

家に来た頃は、私たちの顔色を伺うような、何もかも諦めたような様子だったのですが、
治療を続けるにつれ、目に生気が戻り、年相応なやんちゃぶりも見せてくれるように
なりました。

どこで覚えたのかしつけもよく、決められた場所で爪とぎをし、トイレもすぐ覚え、
座り方も凛としていて、猫を飼うことに難を示していたおっとすらも
すっかり骨抜きにしてしまいました。

にゃくわ
にゃくわ

気づくとめっちゃ写真を撮ってるにゃ~

この年の夏は猛暑で、そのせいか熱も高めでなかなか下がらなかったのですが、
家に来て半年くらい経ってようやく、安定して平熱であることが多くなり、
治療もインターフェロンか、口内炎がひどいときのみ抗生物質を追加、程度に
程度に落ち着いてきました。

ただ、獣医師の先生からは、キャリア状態なのは変わらないので、
はあはあ呼吸が荒かったり、苦しそうな様子が見られた場合は、
すぐに病院に連れてくるように、と強く言われていました。

半年~1年頃 (2018年11月~)

口内炎が落ち着いてきた頃から、めちゃくちゃ食べるようになりました。
お腹が空いてしょうがないのか、ケージの上にあったフードを破って
中身を食べたり、私たちがうっかり机の上に置いてしまった鰹節パックを
こたつの中に持ち込んで食べたりなど、悪さもするようになるほど元気になりました。

洗面器ねこ
洗面器にすっぽりはまって寝てます。はみ出てるけど。

通院頻度は3週間に1回。
通院の度に獣医師の先生が、猫白血病感染猫に多い症状である
リンパの腫れ、臓器の腫れ、水分が溜まっていないか、などの全身状態を
チェックしてくれるので、ひとまず安心。
なんとなくだけど、肉球の色や鼻の頭も、昔よりピンク色な気がします。

1年近くたつと、すっかり我が家の家族の一員。
猫ちゃんも、私たちが信頼できる存在だと悟ってくれたようで、
家にいるときはそばに寄ってきてくれるし、撫でるとゴロゴロいうし、
しぐさやもふもふな毛並みに、むちゃくちゃ癒されました。

特に娘はちょうど動物が飼いたかった頃だったので溺愛っぷりも甚だしく、
夜になるとぬいぐるみのように抱えて一緒に寝ていました。
猫の方もそれを嫌がるでもなく、自分の仕事(?)と捉えているようで、
娘が寝付くまでそばにいて、眠るとそっと離れて移動していました。

娘は小さいころから寝つきが悪くて、
一人じゃ眠れなかったのですが、

猫ちゃんが一緒に寝てくれるおかげで、
夜に自分時間が確保できるようになりました。

にゃくわ
にゃくわ

ありがたいにゃ~

・・・に続きます。

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