任天堂の強さの秘密

ゲーム

国内販売数では圧倒。かつ長く楽しまれている。

2022年の国内におけるパッケージ版ゲームの販売本数ランキングがこちらです。

Rankハードタイトルメーカ発売日年間販売数(万本)累計販売数(万本)
1Switchポケットモンスター スカーレット・バイオレットポケモン22年
11/18
433.8433.8
2Switchスプラトゥーン 3任天堂22年
9/9
368.7368.7
3Switchポケモン Legends アルセウスポケモン22年
1/28
231.4231.4
4Switch星のカービィ ディスカバリー任天堂22年8/2596.996.9
5SwitchNintendo Switch Sports任天堂22年4/2988.788.7
6Switchマリオカート8 デラックス任天堂17年4/2874.2501.4
7Switchマインクラフトマイクロソフト18年6/2154.8296
8Switchマリオパーティ スーパースターズ任天堂21年10/2948.5111.4
9Switch大乱闘スマッシュブラザーズSpecial任天堂18年12/744.1506.5
10PlaystationELDEN RINGSフロム・ソフトウェア22年2/2535.635.6
6本が任天堂。(ファミ通調べ。21年12月27日~22年12月25日、パッケージ版の推計)

任天堂ハードであるSwitchがほとんど。そして任天堂タイトルが6本。これは、去年に限った話じゃなく、5年前の2017年でみても、10年前の2012年でも、10位内の5本が任天堂タイトルという状況です。本当に強い。そして実際、面白いタイトル多いですよね。
先のランキングでも、4年前に発売になっているタイトルが3本も。マリカー、マイクラ、スマブラの3本です。昔からずーっと子供たちに人気ですよね。

そんな任天堂ですが、社長の言葉でも

娯楽企業としての任天堂の使命は、任天堂の商品やサービスを通じて、世の中の人々を笑顔にすることにあります。そのために、お客様にこれまでとは違った、新しく面白い娯楽体験を提供することに挑戦し続けています。

任天堂が手がける娯楽の商品は、生活必需品とは違って、面白くなければお客様に価値を感じていただけません。また、どんなに独創的で面白いものであっても、いつかは必ず飽きられるという宿命があります。
だからこそ、任天堂は「従来とは違うこと、他とは違うことにこそ価値がある」という「独創」の精神を最も大切にしてきました。それは、社員の一人ひとりに息づいており、将来にわたって引き継いでいく任天堂のDNAでもあります。

任天堂 社長からのメッセージより

また、働くことについても触れています。これらは、任天堂で働いてみたいという求人向けの情報だとは思うのですが。じっくり読んでみると、任天堂のものづくりの姿勢がよくわかります。そして、この姿勢こそが、任天堂の強さの秘密になっています。
私が気になったポイントをいくつか紹介します。

ものづくりの素敵さ①視覚効果のすごみ

「スーパーマリオ 3Dワールド + フューリーワールド」より

ゲームの中心は、画面を見て遊ぶものでもあるので、情報の7割は視覚によるものになりますね。ここで登場するキャラクターが、いかに細部にまでこだわっているかが、生き生きとした体験に代わっていきます。

「メトロイド ドレッド」より

メトロイドのシリーズは、1986年8月、ファミコン ディスクシステム用のタイトルとして発売されました。未知の生命体 メトロイド を悪用しようとするスペースパイレーツの本拠地に乗り込んで、深く複雑になっている要塞内を探索しながら破壊する、というSFのアクションゲームです。初めて登場したときに襲われたメトロイドが、汗ばむ真夏の夜ということもあって、すごく怖かった思い出があります。
その2Dメトロイド最終作からも19年ぶりという超久しぶりに登場した「メトロイド ドレッド」は、探索と恐怖をテーマにした新たな物語を紡いでいます。

当時とは遥かに異なるマシン性能もあって、初代メトロイド(画像はエンディング)のドット絵から大きく進化したリアルテイストのゲーム画面。ということもあいまって、3DCGモデリングが駆使されています。
サムスの腕一つとっても、本当に細部まで作りこまれています。時にはキャラクターの設計図のようなものから、ポージング、ライティング、背景なども。

つづいては、キャラの動きについてのエフェクトです。

「スーパーマリオ オデッセイ」より

マリオが敵に乗り移るときのバラバラになる効果は、画面がちからを持った瞬間のひとつでもあります。

この2つのシーンは、いずれも「スーパーマリオ オデッセイ」の一場面ということですが、
大自然に囲まれた滝は、リアルなしぶきを上げるようなエフェクトを
マリオが何かにぶつかった時は、かわいい星が飛び出す、というアニメ的なデフォルメされたエフェクトを
といったように、キャラに近い部分とキャラか離れた部分につけるエフェクトを使い分けることで、自然で、空気感を表現することに成功しています。

ものづくりの素敵さ②サウンド

「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」より

ゲームを楽しむうえで欠かせない、大きな要素に「サウンド」があります。
スマホのゲームがはやったころ、そして3DSが全盛のころは、電車内でスマホや3DSで遊ぶ人がすごく増えましたが、ぱっと見、音なしで遊んでる人多かったんですよね。(当時はワイヤレスイヤホンもそれほど普及していなかったこともあって、面倒だったからかな。)あれ、本当に残念でなりませんでした。ゲーム会社の人たちが、体験を豊かにするために入れている音源をなしで遊ぶだなんて!

臨場感を・・ということだけじゃなく、一緒に遊んでいる相手のために。という音声もあります。
それが、「Nintendo Labo Toy-Con 04: VR Kit」の対戦ミニゲーム「対戦! カバズーカ」。交代で、カバにエサやりをするように、フルーツを発射する2人用の対戦ゲームなのですが、ゴーグルを除いていない相手には、どんな画面で何が展開されているか、わからないんですよね。なので、プレイヤーじゃない人の視点に立って音が鳴るようになっていて、よくない状況だとがっかりするような気分の音が流れる、といった音作りになっています。

そして、ゲーム音楽といえば、本当に感心したのが、こちらの「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」ですよね。自然音が本当によく再現されていて、ハイラルの世界を、空気感を、表現するのに、すごくいいサウンドが聞こえてきます。
ピアノを中心とした曲だけでなく、風の音、虫の声、鳥のさえずりなどなど。

【仕事を読み解くキーワード48】リンクの足音
「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」より

上の動画からもわかるように、主人公であるリンクが装備を身につけて歩く時の音。装備には金属系のもの、木製、骨など様々な素材でできています。叩いたりこすったりして収録したとのことです。足音の録音も、土や氷など様々な固さに調整したものを踏んだそうです。
装備を持って歩く時の音がとてもリアルに感じるのは、剣、盾、弓の3種類の装備をずらして鳴らしているそうです。右足が着地したときは盾を。左足は弓を。そしてちょっとずらして剣の音を鳴らすということで、素材の特長を感じられる音づくりになったそうです。
こうしたきめ細やかなこだわりが、臨場感につながっているのです。

ものづくりの素敵さ③UI

「Nintendo Switch Sports」より

Switchのセンサー入りのコントローラを使って、直感的に遊べる「Nintendo Switch Sports」
ラケットを持つように振ったり、足を動かして蹴ったり、といった動きに反応してくれて、とても楽しいゲームですよね。
このタイトルは、特にあまりビデオゲームになじみのなかった人たち(CMに流れているような、おじいちゃん、おばあちゃんまで)も、迷うことなく楽しんでもらうための工夫がUI(ユーザインターフェイス)にも表現されています。

コントローラの色や向き(Joy-Conの左右どちらか)とユーザ名を一緒に表示することで、自身が持っているコントローラとひもづけて、理解しやすいものになっています。また、自分の番には、Joy-Conが振動するので、より直感的になっています。

操作の仕方についても、ボタンの位置だったり、動かし方だったり、といったものをイラストや文字で。かつ、必要最低限についてのみ、伝えてくれます。この表示、「リングフィットアドベンチャー」でも、採用されていましたね。

この考え方はパッケージデザインにも踏襲されています。
1)直感的操作をイメージした写真を大きめに。
2)ゲームのキャラクターイラストは補助的に。
あまりゲームを遊んでこなかった人にも手に取りやすいデザインを意識したそうです。

今は、ゲームも世界中で販売されていますね。海外制作のゲームが日本でも楽しく遊べるのも、日本発祥のゲームが世界中で楽しまれているのも、翻訳作業があるからです。

「あつまれ どうぶつの森」は、無人島の住民となって、開拓しながら島を飾ったり住民と交流をすすめていく、スローライフを楽しむゲームです。
この中の翻訳例として、お弁当にいれる「タコさんウインナー」があります。英語圏の地域では一般的なものではないそうです。なので、ピクニックに定番の「Apple(りんご)」や「Sandwitch(サンドイッチ)」にセリフを変えることで、文化の差を表現しています。ローカライズには、こういった、その地域の文化にあわせた翻訳にしているとのこと。これは本当に大変なことで、でもこんな工夫がされていることで、そのゲームがあたかも自分の国で作られたゲームのように感じられますよね。最近は海外製のゲームタイトルが日本で売られることが増えましたが、いかにも機械翻訳だけのたどたどしい日本語のものもあります・・。ゲームで遊んでいて、かなりげんなりしますよね。

さらなる深み

「スプラトゥーン 3」より

「スプラトゥーン」は、主人公である(ヒトの姿に変身できる)イカ?をあやつり、4人チームで地面を塗りあって、面積が多いチームの勝ち!というナワバリ争いのゲームです。これまでシューター系のゲームというと殺し合いという感じのものばかりでしたが、そこはさすがの任天堂。射ち合い といってもインクを塗りたくる、相手のプレイヤーを倒すことが主ではない(有利にはなるけど)ゲーム。本当によくできています。初代のスプラトゥーンが発売になったWii Uで、本当に久しぶりに発表動画をみただけで、やりたい!と思ったゲームでした。

この2つの画像は、その「スプラトゥーン」シリーズの サーモンラン という協力プレイのモードに出てくる敵キャラクター(オオモノシャケ)になります。ここにも現実の遊びをうまくゲームに落とし込む、アイデアが取り入れられています。
ひとつが「カタパッド」。左右にゴミ箱のようなものをもっていて、そこに爆弾を投げ入れることで倒すのですが、これは 子どものころにやっていた、(紙を丸めてゴミ箱に投げ入れる遊び)をモチーフに。
そして「タワー」なる7段に積みあがったナベのようなキャラですが、これはそのナベを順に撃ち落として倒すのですが、(ダルマ落とし)をモチーフに。
といったものだったそうです。それを触っていて楽しい、と思えるような、遊びに直結するデザインを反映することが、遊びにも深みを持たせています。
任天堂のマリオやゼルダの生みの親、宮本さんもよくそんな発言をされていました。「ピクミン」はガーデニングなどの趣味などからの発想(面白さ)があって生まれたという話もありましたよね。

にゃくわ
にゃくわ

おもしろい と思ったことを遊びに変換すること、そしてその手触りを大事にすることが、面白いゲームを作り続けられる秘密ニャ

おっと
おっと

ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム も楽しみだな~

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